平成5年度 研究報告 大分県工業試験場
3 2次元表面あらさ計を利用した3次元視覚化処理に
関する研究
機械部 水 江
宏要 旨
表面粗さ計(既存機器)を利用して測定した2次元の形状データをA/D変換し、パーソナルコンピュータに取り
入れて、グラフィカルな3次元形状表現を行うためのプログラムおよび測定装置の改良を行った。これにより、従来
の2次元のデータを出力する測定器や工具靡教鏡等による観察だけでは把握できなかった形状(特に加工物表面形状) を3次元的にコンピュータディスプレイ上に表現可能となった。
変換したデータを記録できるデータレコーダ、工具顧傲 鏡に付属している激動テmプルとハイレゾリューショソ 表示可能なパーソナルコンピュータを使用した。
①表面粗さ測定器(小坂研究所s ur f coml OOÅ)
ア.騒動装置(s ur f com
E−RM
−SO
4A)
イ.増幅器(s ur f com
E−RM
−SO
4A)
②データレコーダ(TO
AI N
R−141A)
③微動テーブル(Ni kon工具顕微鏡付属テ… ブル) ④パーソナルコソビュータ(NEC PC9801RL) 図1に測定装置略図を示す。
表面粗さ測定器(駆動装置+増幅器)から通常は専用 記録計に接続している配線を改良し、データレコーダに 接続した。記録計用データは実測定データとしてCh.1
に接続し、トレーサーの往復動切り換え用信号をパス切 り替えのトリガーー信号としてCh。2に接続して、フロッ ピ… ディスクに収録した。Ch.1の記録電圧範囲は± 500 mV、Ch.2の記録電圧範囲は±13Vに設定した。
1.緒 言
各種精密測定において、多くの場合出力形式ほ数値デー
タまたほ2次元データであり、従来の設計図面に示され
ている表面粗さ、形状精度、寸法精度等の精度条件を確 認するにほ十分であった。しかし、中小企業にも3次元 CAD/CAMや多軸加工棟等の高性能生産設備が普及し、 各種の複雑曲面や図面では表現し難い加工ができるよう になると、これに対応した3次元表面形状測定技術が必 要となってくる。
また、素材表面の形状が、潤滑性、陵水性、伝熱特性、 機械的強度等に与える影響や、切削、研削等の加工条件、 能率の良否を判定するためには、従来の2次元データだ けでは不十分である。
本研究は以上の理由により、表面粗さ測定器の改良を 行うことにより、ある程度大きなおうとつを持つ硬質材 料表面形状を測定し、コソピューターディスプレイ上に
3次元表現が可能となったので報告する。
2.2 測定方法
駆動装置によるトレース方向をⅩ方向、激動テーブル
による送り方向をY方向とすると、サソプルデータは図 2に示す形式の配列となる。国中のそれぞれのポイント
パーソナル コンピュータ 2.測定装置
2。1 装置概略
本研究では当センターに従来からあるハソディタイプ の表面粗さ測定器、フロッピーディスク (FD)にA/D
徴軌テーブル
区= 測定装置略図
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にZ方向の変位を与えた点群が3次元データとなる。 表面粗さ測定器の駆動装置は任意のⅩ方向の範囲を自 動的に往復運動するよう設定されており、1パス測定終 了後の復路移動中に微動テーブルを操作する(Y方向に 移動)という方法を繰り返し、任意のYストロークまで 測定を続ける。
トレーサーの動き方向
さらに、次項目について変数とし、任意に変更可能と
した。図4に変数説明図を示す。
①表示倍率 ②トリガ信号レベル
③トリガ信号後の捨てデータ数 ④1パス毎のⅩ移動量
⑤1パス毎のY移動量
⑥サンプルデータの間隔(Ⅹ方向)
⑦1パスの表示データ数 ⑧高さ方向設定最小値 ⑨高さ方向設定最大値 ⑬その他表示部の色等
点
開
二⋮−∨
微動テーブル
の動き方向
 ̄ ̄ ̄ ̄づ = = 二 三 >
終了点 図2 データの配列と触針の動き
駆動装置のトレース速度は0.6mm/s ec、サソプリン グ間隔は0.25s ecであり、触針の移動量に換算して0.15 mmとなる。また、A/D変換器の信頼性を確認するため
に、実際に標準試験片を使用して、表面粗さ測定器標準 付属のアナログ記録計の出力とA/D変換器からの出力 を比較したが、Z倍率(粗さRENGE)を200倍以下で あれば表面粗さ曲線として十分満足できる結果が得られ
た。
図4 変数説明図
表示手法は表面粗さ曲線のみの表示と等高線表示の2 種顆を可能とした。
表面粗さ曲線のみの表示は、取り入れた点デ… タ間を トレース方向(Ⅹ方向)のみ線分で結び、線分中点での 高さ(Zの値)に対応した色で着色する方法である。写 真1、2にディスプレイを直接写真撮影した表示例を示 す。
また、等高線表示においては等高線の探索法、表示法 がいくつかあるが、本研究ではディスプレイ上では、線 分表示を線分の幅(幾何学上の線ではないので幅を持っ ている)だけ移動し表示させることを繰り返すと面が得
られることを利用し、図5に示す手法で処理した。この
手法では得られたデータの間隔(韓間)を14色で色埋め するためにパス毎のデ… タ点どうしを線分で橋渡し(Y 方向)、橋渡しした線分を数等分して得られた点どうし
を線分で結び生成Lたものである。 写真4、5に等高
線表示のディスプレイを直接写真撮影した表示例を示す。 等高線表示においてはデータ線分をあえて黒表示し基準
となる曲線として示した。
いずれの表示方法においても、隣り合う高さの差が大
2.3 ソフトウェア
プログラミソグ言語ほBASI Cとし、図3の表示を可 能とした。表示可能な16色のうち14色を高さ表示用とし て使用しカラーバーを左端に設けた。また、Ⅹ、Y、Z のスケールを設け、実尺度の目安とした。
図3 表示例
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により、低倍率ではあるが、安価な3次元表面形状測定
装置として利用できることがわかった。
さらに、高倍率でも使用できるようにするには、デー タ点の配列が、Z軸方向からみて正確に直方形格子状で なければならない。この位置関係を改善するには以下の 点に注意を払わなければならない。
①サンプリソグ間隔の短縮
②膨大なサソプリングデータの保存法 ③触針のY方向の剛性
④各パス間でのスタート点の完全な同期化 これら注意点は低倍率であっても精度、信頼性を向上 させるには必要なことである。
また、高倍率化とともに測定範囲の拡大化がともなう と、測定からデータ処理終了までに非常に多くの時間を 要する。Y方向微動テーブルの自動化、高性能コソピュー タの使用、ハードディスクの利用、プログラムの改良等 によりある程度は改善できても、装置自身が高価になり 本研究の意味を失うので意味を持たないであろう。 きい場合には、それぞれの線分を差の大小に応じて数等
分し、色分けをより細分化している。
橋渡しした直線を等分割し Ⅹ方向につないだ線分 図5 等高線表示の手法
3.測定結果及び考察
現在では測定物表面形状を3次元的に表現する測定装 置は市販されているが、装置が非常に高価であり中小企 業には普及していない。本研究では、既存の表面粗さ計 と普及著しいパーソナルコソピュータを利用しすること
写真3 等高線表示(例り 写真1 表面粗さ曲線のみ表示(例=
写真4 等高線表示(例2) 写真2 表面粗さ曲線のみ表示(例2〉